わたしの統合失調症の症状は、幻聴が比較的ひどかったようですが、妄想についてはさほどひどくなかったのではないかと思っています。

あとから振り返り、これは明らかに妄想だったと確信していることもあれば、この出来事は、現実に起こったことなのかがわからず、確認できていないことがあります。

わたしの妄想は2つのことを中心に派生してできていたようで、
1つ目は「自分はある人物から試されている」というもの。
2つ目は「今まで自分と関わっている人を、傷つけたり、不義理なことをしている」「わたしは罪人だ」というものでした。

「自分はある人物から試されている」この妄想から、監視カメラや盗聴器がしかけられ、わたしの行動が見られているものだと思っていました。

はじめに「こうだ!」と思ったことから、妄想は、少しずつ形をかえ、次第に
「わたしが1人前になるための試練」→「お嫁さん候補として試されている」と変わっていきました。

職場である地域包括支援センターで運動教室の講師として依頼しているEさんという方がおられたのですが、妄想によって、Eさんはわたしのことが好きなんだと思いこんでいました。

わたしは好意を寄せられると、相手を好きになってしまうほうで、Eさんのことを好きになりました。

Eさんとお付き合いしたいと思う一方で、「わたしは罪人だ」という思いから、Eさんだけでなく、男性とのお付き合いは許されないと思い、Eさんへアプローチすることはありませんでした。

今となっては、陽性症状真っただ中で、Eさんにアプローチしようとしなくてよかったと、心底思います。

妄想は少しずつ変化していたので、振り返って文章にすると、なんだか矛盾したところもあったり、突拍子がないように感じています。

わたしの妄想は、発症から1ヶ月ほどの間は、「試練」「試されている」と思い、仕事中は、特に強い緊張感を持っていました。

しかし、発症後1ヶ月ほど経過したある日、目が覚めたように、スーッとと妄想の一部が消えた感覚になりました。

「どうして見張られている、と思っていたんだろう」
「ある人物から試されていると思っていたけど、その人はただの仕事関係の人だ」と冷静になっていました。

なんだか不思議な感覚でした。

それでも「わたしは罪人だ」という思いは続いていき、その後は少し変わったおかしな思いこみに支配されていきます。

それが妄想なのか、幻聴から言い聞かせられ続けたことによる思いこみなのか、なんだかわかりませんが…。

幻聴は寝ているとき以外、よく聴こえていましたが、いつしか様々な声色で聴こえるようになっていました。
「あなたがだれかに罪悪感を抱いてきた度に、罪悪感を持たれた人の人格・魂の一部が、あなたの頭の中に住むようになった」
「その人格たちが時を経て目覚め、あなたに話しかけることができるようになった」

幻聴から、そんな風に言われていました。

「頭の中の人格たちを救わなければならない、救うには謝罪し続けること、言うことを聞き続けること」

そうして、わたしの謝罪の生活が、いつからか始まりました。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

投稿者

くま子

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