統合失調症と診断されましたが、医師からは、症状は軽いのであまり環境を変えずに生活するように、言われていたそうです。
眠っているとき以外の、多くの場面で幻聴が聴こえていたことはだれにも話さなかったので、病状が「軽い」と診断されたのかもしれません。
リスパダールは数日分処方され、数日後にD病院に再診予約が入っていました。
D病院の再診にはひとりで行きました。
細かい出来事は忘れてしまいましたが、診察室では、「自分は統合失調症ではない、別の状態なのだ」と医師に訴えかけ、処方された薬は自分の症状には合わないので飲んでいないことも話していました。
きっとそう伝えれば、誤診だということに気がついてくれる、そう信じていました。
振り返ると、失礼な考えだなと思いますが、当時は本当にそう思いこんでいました。
医師は表情を変えず、「そうですか」と答え、「脳波の検査に来てくださいね」と話していました。
わたしは誤診のことを聞き入れてもらえ、誤解がとけたと満足した気持ちでした。
お会計のときにリスパダールの処方箋ももらったはずですが、薬は必要ないと、薬局に取りにいきませんでした。
そして、精神科に行く必要はもうないのだと思い、その後に予約していた脳波の検査はすっぽかしていました。
環境を変えないほうがいい、医師のアドバイスのもと、すぐに自宅からアパートに戻って生活をしました。
アパートでずっとひとりになるのもよくないという職場の方の配慮で、仕事にも無理のない範囲できていいと言われていたので、精神科受診の翌日から出勤していました。
仕事はしっかりしたい。
元々仕事好き人間だったこと、少人数の職場だったこともあり、
「自分が抜けることで迷惑をかけたくない」
そんな思いで、仕事に向かっていました。
どうやら幻聴も同意見(?)だったようで、その後、職場を退職するまで、出勤することを邪魔することはなくなりました。
仕事中に幻聴が邪魔になることは多々ありましたが…。
当時を振り返ると、職場のAさんとBさんには迷惑をかけ、気を遣わせてしまい、とても申し訳なく思います。
症状が出て、周りに迷惑がかかっていると感じたなら、休職か退職するべきでした。
脳波の検査をすっぽかした翌日、母から電話がありました。
D病院から母へ、わたしが薬を飲まず、受診にも来なくなったことへの報告があったようです。
「薬飲まないで捨てていたんやね。病院から連絡あった。大丈夫なの?」 と。
わたしは「もう大丈夫、いまは落ち着いているから」と答えました。
数ケ月後に聞いた話では、D病院からは、薬を飲まないのなら入院させて、強制的に薬を飲ませる方法もあると言われていたようです。
しかし両親としては、精神科に入院させるということに抵抗があったようで、落ち着いているならこのまま様子をみようと判断したようです。
精神科に入院するというのは負のイメージが強いようでした。
ここまで読みいただきありがとうございました。