異変が起こった翌日、いつも通り当時の職場であった地域包括支援センターへ出勤しました。
その日は朝から気分が高揚していました。

わたしはやればできる!何でもできる!という気持ちになっていました。
電話があればだれよりも早く応対し、どんどん仕事をこなそうとしていました。

ふと、昨日の出来事を職場の人に話さないといけないという思いにかられました。

職場は主任介護支援専門員であるAさんと、社会福祉士であるBさんと、わたしの3人で仕事をしていました。事務所内には同法人の居宅介護支援事業所があったため、AさんとBさんを相談室に呼び出し、昨日の出来事を話し始めました。
話していくうちに、頭の中で新しいストーリー(妄想)が出来上がっていました。

「首謀者がだれなのかは言えないが、わたしは陰謀によって試されている。これからわたしの前には試練が待ち受けている。どんなにボロボロになっても見守っていてほしい。」

AさんとBさんの前で熱弁し、Aさんは心配そうな訝しげな表情でこちらを見ており、Bさんは苦笑いをしながら、「困ったことがあったら言うんだよ」と言っていました。
いつの間にか、仕事で関わりのある、まったく無関係な人が首謀者であるという妄想に発展していました。

その日は妄想を抱きながらも、妄想が侵食しない平常心なところもあったので、予定をしていた相談や定期訪問はいつも通りこなしていました。

さらに、異変が起きてから3日目のことです。
その日は、午前中は事務所内での仕事を中心でしたが、午後からは定期訪問に出かけていました。

訪問のあと、車を運転していると
『だれかに見られている。自家用車に監視カメラや盗聴器が仕掛けられている』
そういった思いにかられました。

職場へもどるとすぐに、自家用車を修理に出したいと職場の人に伝え、近所の自動車整備工場へ行きました。職場から整備工場までは、車で3分の距離でしたが、だれかに見られているのだと思うと、その3分という時間も怖くてたまりませんでした。

お読みいただきありがとうございました。