自動車整備工場で、監視カメラや盗聴器が仕掛けられているのではないかといったことを伝えました。

とにかく怖くて、おびえた様子でした。

整備工場の事務員の女性は、わたしの訴えをしっかりと聞き、丁寧に対応してくださったので、安心感を持ちました。

車を整備工場に預け、職場にもどると次は、事務所の中に監視カメラと盗聴器が仕掛けられているのではないかという思いにかられました。

とりあえずおびえながら事務所にもどると、わたしの様子を心配していた同僚のBさんが残業して待っていました。
Bさんは何かを察したのか、どこかで話そうと提案し、センターの車にふたりで乗りこみました。

センターの車に乗ると、ここには監視カメラも盗聴器もないだろうと安心した気持ちになりました。

しかし安心した気持ちもつかの間で、途切れ途切れに幻聴が聞こえてきました。

幻聴の声量は小さく、聞き取れない言葉もありましたが、わたしをののしるような声でした。

Bさんがそばにいてくれたので、恐怖感はあまり強くありませんでしたが、こんな声が聞こえているということを、半ば実況しているように伝えると、Bさんは「うん、うん」と優しい表情でわたしの話を聞いていました。

失礼なことに、「Bさんは、わたしを女としてみている」という幻聴が聞こえてきて、そのこともそっくりそのまま伝えていました。Bさんは怒ることもなく、静かに話を聞いていました。

余談ですが、Bさんは包括支援センターの同僚で、頼りになる先輩という存在であり、男性として意識したことは全くありませんでした。
そのため、どうしてこのような幻聴が聞こえてくるのか、振り返ってみても不思議だなと感じます。

幻聴にののしられた後は、自分のことを洗いざらいしゃべらないといけないという思いにかられました。

過去の後悔や抱いている罪悪感、恥ずかしい出来事を、矢継ぎ早に話し始めました。
Bさんはあきれることもなく、Bさん自身の過去にあった後悔を、私に教えてくれました。

内容はあまり覚えていませんが、わたしに安心感を与えようと、いろいろなことを話しておられたことは覚えています。

18時半に車に乗り込み、車を降りたのは22時半過ぎでした。

Bさんは本当にいい方で、この後もしばらく迷惑をかけ続けましたが、わたしが地域包括支援センターを辞めるときまで、温かく見守ってくださっていました。

当時のことを思い出すと、申し訳ない気持ちと…いろいろなことを話して恥ずかしい気持ちになります。

Bさんとは今でも連絡をとり、食事にご一緒させてもらうなど、よくしていただいています。

お読みいただきありがとうございました。