統合失調症の症状は、幻覚、妄想、思考障害といった「陽性症状」と、感情鈍麻、意欲低下などといった「陰性症状」があります。
また、「認知機能障害」と呼ばれる症状が出ることもあります。
今回は、「陽性症状」についてお伝えします。
幻覚
幻覚には、幻聴・幻視・幻臭・幻触・体感幻覚などがあります。
あるはずのないものが、はっきりとあるように感じます。幻聴という言葉は、健康な人の間でもよく使われているのではないでしょうか。
幻視は目の前にいないはずのものが見えることを言います。幻臭は、感じないはずの匂いを感じることです。幻触は実際には、触れられていないのに触れられているように感じることです。体感幻覚とは、実際には起こらないような奇妙な身体の感覚の症状のことです。
統合失調症では、幻覚の中でも幻聴が生じることが多いです。聞こえた声が幻聴であると気がついている人もいれば、気がついていない人もいます。
わたしの場合は、声の発信元が外界ではなく、自分の頭の中から聞こえてくる声であることは認識していました。それでも病気のせいだとは結びつかず、自分の頭の中に別の人格が存在していて、しゃべりかけてきていると思いこんでいました。
幻覚だと気がついていない人でも、治療が進むと、幻覚であることを認識できるようになることがあります。
妄想
事実ではないことを、強く信じこんでいることが妄想です。
注察妄想、関係妄想、被害妄想と呼ばれるものが急性期にはよくみられます。
だれかに見張られている、悪口を言われている、周りの人が話していることや見聞きしたことが、自分には関係ないことであっても、関係があるように思いこむこといったがみられます。
また妄想には、自分は高貴な家柄であると思いこむ血統妄想、自分の能力がとても優れていると思いこむ誇大妄想と呼ばれるものもあります。
体験談として詳しく書いていきたいと思っていますが、わたしの場合は、だれかに見張られている、盗聴器がしかけられているといった妄想から始まりました。そして、見張られているという妄想のあとは、恋愛妄想や罪業妄想と呼ばれるものに近いような内容のことを強く信じこんでいました。
思考障害
考えがまとまらない、考えが止まってしまうといった症状です。
さまざまな考えが突如浮かびあがることで、つじつまの合わない会話の内容であることがあります。
「陰性症状」「認知機能障害」については、あらためてお伝えしていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。